旧日本陸軍の一式戦闘機「隼」など、数々の名機を生んだ中島飛行機をルーツに持つ富士重工は、自動車製造に着手した当初から、その航空機製造で培った高い技術力に裏打ちされた理想主義的なクルマ作りで知られている。1958年に登場し、戦後日本のモータリゼーションの発展にはかり知れない恩恵をもたらした歴史的名車・スバル360に始まり、独自の水平対抗エンジンや四輪駆動を備えたレガシィやインプレッサまで、多くのファンに支持されて来たスバルの歴代モデル。しかし、そんな乗用車以外にも忘れてはならない車種がある。そう、スバル・サンバーだ。
初代サンバーがデビューしたのはスバル360に遅れる事3年、1961年のこと。360譲りの四輪独立懸架やリア・エンジンなど、他には見られない独自のメカニズムを、現行の最新モデルに至るまで半世紀にわたって連綿と踏襲して来た歴代サンバーは、熱烈な信奉者によって支持され続けて来た。フロントアクスル上にドライバーが座るキャブオーバーの採用はクラス最大級の荷室寸法。実際、軽商用車ではサンバーにしか積めない荷物も少なく無い。ショート・ホイールベースは農道や狭い路地裏での機動性に富み、伝統のリアエンジンは空荷の際にも後輪に十分なトラクションがかかる。それら数々の優れた資質に加え、3代目からはそのバリエーションに同社のお家芸とも言える四輪駆動モデルも追加されている。長い年月の中で徹底的に磨かれて来たサンバーは、メルセデスのウニモグやランドローバーに勝るとも劣らない「日本を代表する良質なツール」なのだ。
さて、4気筒のリアエンジン、四輪独立懸架、最小開店半径の小さなショートホイールベースといった、数々の優れた特徴を持つ現行サンバーのバン/トラックですが、残念ながら2012年2月に生産中止となりました。 初代誕生から50周年という節目の2011年に生産中止が決定されたとは、いちクルマ好きにとってはなんとも複雑な心境でありますが、これもまた国産自動車の歴史の一コマですね。
ダイヤペットのサンバーに新たに加わるのは、生体50周年を記念して限定発売された実車を再現したモデル。WRブルーと呼ばれる鮮やかなボディ・カラーが特徴です。もちろんスバリストならずとも、その色の持つ意味はよくご存知でしょう。サンバー同様長い歴史を持つダイヤペットが、久々に実車メーカーとコラボレーションを行い、リリースするという限定ミニカーです。
世界ラリー選手権(WRC)で幾多の栄冠に輝いたスバル・インプレッサのワークス・カーと同様のWR ブルー・マイカのボディの存在感はインパクト十分です。ちなみに実車のWR BLUE LIMITEDは昨年7 月のリリース後、限定1,000台がわずかな期間で完売したそうですが、このダイヤペットのWR BLUELIMITED も限定1,000 台。実車と異なりバンは用意されず、ボディ・バリエーションはトラックだけとなります。
サンバーの歴史を後世に残す関心のあるかたはお早めに。
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